最近はスポーツや芸術以外で明るいニュースに接することは少なくなった。特に政治はとんとない。しかし、物は考えようで、民主党の政治家をまともな人間と考えるから現状に腹が立つのであって、彼らを痴呆症だと考えれば、別に腹は立たなくなる。
そんな気分で1月25日の新聞を読んでいたら、明るい記事が見つかった。万能細胞に関する記事だった。2件あり、1件は、アメリカのベンチャー企業が、万能細胞の一種である胚性幹細胞(ES細胞)を使って、網膜の病気を治す臨床試験をした結果、患者の視力が改善したことがわかったと発表したというものであり、もう一件は、日本国内の話で、京都大学と理化学研究所の共同研究チームが、動物実験でヒトの新型万能細胞(iPS細胞)から作った神経細胞をパーキンソン病のサルに移植したら、細胞が機能することを確認できたと発表したというものである。
最初の、ES細胞から作った網膜細胞を患者の目に移植したら、視力が改善したという件だが、次のようなことが言えるという。
①.これは、万能細胞を使う再生医療で治療効果が確認された最初のケースである。
②.この治療法は、高齢者に多い加齢黄斑変性など網膜の異常で視力が大きく下がる病気に効果が期待できる。因みに、加齢黄斑変性の患者は日本に70万人くらいいると推定されている。
③.治療効果だが、網膜に障害のある患者は、既に網膜細胞が多数死んでいると思われるため、視力が完全に回復することはない。
④.日本でも、2013年から理化学研究所が、iPS細胞から移植用の網膜細胞を作り、加齢黄斑変性を治療する臨床研究を開始する予定である。しかし、実用化されるまでには、細胞の品質と費用、量産体制をクリアする産業化技術の確立 → 治験 → 承認というステップが必要であり、早くても数年後くらいとなろう。
2件目のiPS細胞がパーキンソン病の治療に道を開くかもしれないという件は、まだ、動物実験の段階で、カニクイザル1匹に対して効果が確認できたというだけで、これからも多数の検体に対して実験を続けて治療効果を慎重に評価する必要があるが、パーキンソン病には現在根治できる治療方法がないため、これからの研究に期待が集まっているという。
私は、個人的には、”ホラ吹きクレイ”で売り出した元ヘビー級ボクサーのムハマッド・アリのパーキンソン病が治ったらいいなあと考えている。
◆ ES細胞 = Embryonic stem cells = 胚性幹細胞 = 万能細胞
胎児の元となる受精卵から取り出した細胞で、患者本人から見たら他人の細胞であるため、倫理上の問題があると共に、移植後に拒絶反応が発生する心配がある。
◆ iPS細胞 = Induced pluripotent stem cells = 新型万能細胞
患者本人の体のある部分の皮膚から取り出した細胞で、倫理上の問題はなく、拒絶反応の心配もないが、人工的に3つ,4つの遺伝子を組み込んで培養するため人体に戻したときに安全かどうかは検証する必要がある。


by yasutaroh
中国の権力闘争の苛烈さ